春は出会いと別れの季節
3月に入りサークルや学校関係の方からのお問い合わせが
増えて来ています。
そのなかで、当店ではラッピング専用桐箱にレーザー彫刻で焼印のように
箱書きをお入れするサービスを行っておりますので箱書きについてご相談を
いただきましたので、熨斗書きとあわせてブログでもご案内いたします。
ご注文の際参考にしていただければ幸いです。
■桐箱は軽くて湿気を通さず、乾燥や湿気に弱い物の保存に適していて
墨(膠入り)で文字を書いてもにじみづらい素材なので古来から貴重品の
保存箱として利用されてきました。
■桐箱の箱書きには作品の名称や作家名を書くことが多いですが、陶器や
掛け軸等の桐箱等では、基本的に箱書きに決まりごとは無く理に適って
いれば良いとされています。
(特殊な例として、茶道具に関しては作者以外に家元の方が箱書きを書く事も
ございますので作者は箱の底などに書く決まりごともあるようです。)
■見本の桐箱では、商品の名称『黒檀 昇り龍』『黄楊 昇り龍』と作家名
として『龍王堂 調製』と彫刻しています。
調製とは、注文に応じて作ると言う意味です、似た言葉に謹製がありますが
こちらは、謹んで作ると言う意味ですが、主にお菓子やお弁当等オーダー
メイドで無い商品にも広い意味で使われるようですので調製と言う言葉を
選びました。
■このように、彫刻する言葉を変えるだけで伝わる意味合いが変ってきます、
作品の名称を入れる部分に、熨斗紙に入れる贈る名目のような文言を入れ
たり、作家名を入れる部分に、太郎贈・花子よりや太郎さんへなど、短歌や
俳句などを蓋の表にデザインされているものもあるぐらいですのでお客様の
アイデアでオリジナルなメッセージをここに彫刻するような使い方も面白い
と思います。
■箱書きの位置も、茶道具等棚に収納した際に内容物がわかるように
箱の横前面に書いたり、蓋を紐で結ぶものは墨書きの場合墨で箱が
汚れるのを防ぐため紐が掛からない位置に配するようです。
ただ、蓋の裏に関しては作家や作者の名を書くことが多いようです。
なお、当店で現在扱っている桐箱はお守り札サイズと言われている物で、
千社札タイプのストラップや喧嘩札に最適なサイズです、他の商品を
入れる際はサイズを確認の上ご注文ください。
■熨斗紙は本来、贈る名目や贈り主を書き入れるための半紙・奉書などの
掛け紙に熨斗鮑を付けた物を言い、水引は熨斗紙と贈答品を固定するための
飾り紐で熨斗紙と一体の物ではありませんでしたが、現在では簡略化され
両方印刷された物が一般的です。
熨斗紙の水引きは、通常の慶事には蝶結び、重ねて起きてはならない事
(婚礼祝い・病気見舞い・香典返し)等には結び切りを使います。
水引きの色は、慶事には紅白・金銀・金赤の組み合わせの他、パールや
ラメが入った物もあります、弔事には黒白・黄白・銀のみ・白のみや紫等
時代と共にさまざまな物が使われています。
■表書きに関しては、水引の下の下書きにプライベートな贈り物の場合
贈り主の方の苗字のみを記することもありますが、多くの方が物を贈ったり
する席や同じ苗字の方が集まる席もございますので、フルネームで書くほうが
受け取られた方が後で贈った方の間違えが少なく失礼となりません。
■上書き(贈る名目)で迷ったら御祝ですが、以下に良く使われる水引の上に
書く上書きを集めてみました。
これ以外にも上書きとして文字をオリジナルでお入れすることも出来ますが、
受け取る方に失礼の無い様にすることがポイントです。
【上書き(贈る名目)一覧】
●新年の挨拶-御年賀・御年始・賀正
●入学 卒業-祝入学・祝入園・祝卒業・祝卒園・卒業記念・卒園記念
●誕生日-お誕生日おめでとう・祝御誕生日・御誕生日御祝
●母の日-お母さんありがとう・いつもありがとう・感謝
●父の日-お父さんありがとう・いつもありがとう・感謝
●陣中見舞い-祈御発展・合宿見舞い・陣中お見舞・祈御活躍・祈優勝・
祈御健闘・祝優勝・祝勝利・祝栄冠
●栄転 昇進 昇格のお祝い-祝御栄転・御栄転御祝・祝御昇進・御昇進御祝・
祝御昇格・御昇格御祝・祝社長就任
●退職-御祝・祝御退職・祝御退官・御餞別・御贐
●受賞(章)祝い-御受章御祝・御受賞御祝・祝御入賞・御入賞御祝・
御入選御祝・祝御出版・御出版御祝
●敬老の日-長寿祝い・寿福・祝御長寿・敬寿・賀寿・御長寿御祝
数え61歳-還暦御祝・祝還暦・寿
数え70歳-古稀御祝・祝古稀・寿古稀
数え77歳-喜寿御祝・祝喜寿・寿喜寿
数え80歳-傘寿御祝・祝傘寿
数え88歳-米寿御祝・祝米寿・賀米寿・寿米寿
数え90歳-卒寿御祝・祝卒寿
数え99歳-白寿御祝・祝白寿・賀白寿・寿白寿
数え100歳-百寿御祝・祝百寿
数え108歳-茶寿御祝・祝茶寿
●結婚祝い-寿・壽・御結婚御祝・御結婚祝・婚礼祝い・祝結婚記念日・
金婚式御祝・銀婚式御祝・結婚記念日
●出産-御出産御祝・御出産祝・御誕生御祝・御安産御祝・命名・お宮参り・
お食い初め・初節句・初誕生・七五三
●中元-御中元・お中元・暑中御見舞・暑中御伺い・残暑御見舞(立秋以降)
・残暑御伺い(立秋以降)
●歳暮-御歳暮・お歳暮・寒中御見舞・寒中御伺い・余寒御見舞(立春以降)
・余寒御伺い(立春以降)
●新築 改築-祝御上棟・祝棟上式・上棟記念・新築祝い・御改築御祝・
改築御祝・新ビル落成御祝・新社屋落成御祝
●開店 開業-御開店御祝・御開業御祝
●病気見舞い等-御見舞・お見舞・祈御全快・快気祝・全快内祝・内祝・
御見舞御礼・謝御見舞
●お礼-御礼・御挨拶・謝礼・謝儀・謹謝
●その他-御祝・謹呈・拝呈・贈呈・贈・進呈・呈上・進上贈答・寄贈・奉納・
御寄進・献進・献供
■内熨斗と外熨斗に関してどちらが正式なのかと言うことも、お問い合わせ
いただくこともありますが、包装の位置付けで考え方が変るところだと思います。
紙で現在のように包装するようになったのは日本では明治以降の文化と考え
られますので、そもそも内熨斗と外熨斗と言う表現もその時から出来た物と
考えられ、熨斗の文化より遥か後のこととなり、それ以前は内熨斗と外熨斗
と言う考え方すら無かったと考えられます、掛け紙に熨斗と水引を印刷した物を
使うこと自体が略式ですので、本格的に掛け紙に熨斗鮑を付け水引で贈答品を
固定した状態のことを考え、包装をどう捉えるかで答えが出ると思います。
■今では一般的には使いませんが昭和の時代、手持ちで届けられる物は
風呂敷等で熨斗紙の掛けられた商品を包み、先様に渡す時風呂敷から出して
風呂敷自体は持ち帰っていましたので、歴史的にも風呂敷を包装紙と考える
ならば内熨斗が正式とも言えます。
■基本的には、熨斗紙(掛け紙)は相手先に見える状態でなければなりません
ので、裸で物を贈ることは配送業者を使い配送する場合考辛く、その場合は
風呂敷から出すことは出来ませんから、熨斗紙の贈る名目や贈り主を表示する
本来の目的からすると外熨斗が合っていると考えられます。
■実際のシーンで考えるとプレゼントを手渡す場合は内熨斗の方がサプライズ
的な演出が出来ますが、第三者に代わって手渡してもらう場合は贈る名目や
贈り主がわかる外熨斗のほうが理に適っていると思います。
■内熨斗と外熨斗はこの他にも諸説あり地域により関東では外熨斗、関西では
内熨斗や目立たせたいなら外熨斗、控え目にしたいのなら内熨斗、内祝いは
内熨斗、それ以外は外熨斗等の説やデパート等で配送の場合、過剰包装を
避ける意味合いや配送伝票を包装紙に貼る都合上内熨斗を薦められることも
あります。
■包装には運搬・配送時の保護用途以外に演出的要素もございますので、
このことは贈る方のこだわりで、お選びいただければと思っております。
桐箱の中にお入れする商品は定番の昇り龍・降り龍に加え夫婦昇鯉が
人気です。
■ちなみに弔事に使用するものは熨斗紙とは言いません。
熨斗が無いですから弔事用掛け紙です。
■熨斗紙・掛け紙に関しては、蝶結び・あわじ(あわび)結び・結び切り、水引の
本数・色等お問い合わせをいただくことでオリジナルデータを作り対応可能な
物もございます。
■また、ギフト発送や桐箱のラッピングですとお贈りする物が見ることが出来ま
せんので撮影した簡易画像をメールに添付してお送りするサービスも行っており
ますのでご希望のお客様は、カートの備考欄に『完成画像希望』等のコメントを
いただければ、商品発送のご案内メールに添付してお送りしています。
■カートの備考欄はフリー記入スペースとなっておりますので、具体的に
ご要望をご記入いただけるようになっております。
補足説明等が必要な際は備考欄をご利用ください。
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