当店の千社札風木札のご注文で戦国武将の家紋と武将のお名前を
入れるご依頼をいただくことがございます。
その際、手持ちのいくつかの家紋に関する書物や博物館の図録
(合戦絵巻・合戦図屏風)の他ネットに出ている情報を参考に家紋を
確認することがございます、武将の方々の使った家紋と言うのが
お一人の方で一つでは無いと言うことや、名前も幼名から元服名、
従う主君により改名されるなど名前も違うので、名前と使って
いた時代を家紋を中心に検証しています。
板垣 信方(いたがき のぶかた)は、武田信虎、晴信(信玄)の二代に仕え、晴信の時代には筆頭の家臣として仕えた武将です。
名前は板垣信方の他、板垣信形、板垣駿河守信方
家紋は諸説あり、地黒菱・武田菱・陰花菱・裏花菱・花菱・割り菱・丸に三つ菱を使っていたとされています。
また、地黒菱に関しては石持地抜武田菱と同様の家紋と思われますが陰花菱は呼び方による違いで裏花菱と同じとする説と、楓の葉を図案化したものを中心に配した紋と言う説もございます。
旗印・馬標は三日月の物が資料に残っておりますがこちらは、日本最古の紋帖と言われる『見聞諸家紋』の第二十一張の表に『二番 片山左京亮』として記載が残っておりますが、その後の他の紋帖ではこの三日月単体での記載は、ほぼ無くなっております。
勝虫とも呼ばれる蜻蛉は、板垣信方も好んで使った武将で兜の前飾りにも使っておりますが。トンボは幼虫の時甲冑をまとった姿、そして成虫になると獲物を捕らえるため決して後退しない前進あるのみとっ言った姿から他の武将も好んで武具や衣装の文様として使われたようです。
家紋は『陰花菱』、旗印・馬標は『月』、兜の前飾り(前立)は『トンボ 蜻蛉(勝虫)』
お客様からのご依頼では表面に
陰花菱紋、裏面に蜻蛉の地紋を
彫刻するご依頼が多いです。
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